当「サンラ商法被害者連絡会」には、現在もサンラ投資家から多数の相談が寄せられている。それらの相談内容は「増田俊男氏とサンラ・ワールド社から資金を取り戻したい」という点で共通しているが、既に投資先の破綻や頓挫が明らかとなった現在、あきらめかかっている相談者も少なくない。
しかし、何もしなければ何も起こらないのは当たり前。黙って待つばかりでは、増田氏とサンラ・ワールド社に預けた虎の子が還ってくる見込みはない。それは「サンラ・コーヒー組合」の例を見ても明らかだ。サンラ・ワールド社は2007年から、2008年の春に配当の支払いを再開する。コーヒー組合の土地を分譲して、その売却代金を投資家に分配する、と発表してきた。それを信じ、指をくわえて待っていた投資家は期待を裏切られている。配当の再開は反故にされ、挙句に「サンラ・コーヒー組合」は会社更生法の申立てをされ、投資家に資金が戻る見込みはなくなった。
一方で、増田氏とサンラ・ワールド社の言に惑わされず、その頃に返金請求や訴訟を起こした投資家は、資金の9割を取り戻すことができている。以下は、増田氏とサンラ・ワールド社から資金を回収することに成功した投資家が、当時に行った返金請求のプロセスである。
㈰消費者センターや警察など、公的機関に相談する。
㈪返金を求める「通知書」を作成し、サンラ・ワールド社へ内容証明郵便で送る。
㈫数日後、サンラ・ワールド社から通知書を受領したことを伝える文書が届く。
㈬さらに数日後、サンラ・ワールド社から「合意書(案)」が届くか、あるいは同社顧問弁護士の事務所から「違法性を主張したり、訴訟を起こしたりしなければ、返金する準備はあります」というような趣旨の通知が送られてくる。
㈭前項のいずれかの文書に、同意する意思を先方に伝える。
㈮サンラ・ワールド社が直接対応する場合も、弁護士事務所が介在する場合も、ほぼ同文の「合意書」が送られてくる。
㈯署名、捺印して送り返せば「合意書」は締結。支払いの期日は、サンラ側が勝手に設定した30日以内が原則。
このうち㈯は、サンラの資金繰りが悪化するにつれ、30日以内の支払期日は60日となり、さらに90日へと引き延ばされた。そして遂には「合意書」の約束が履行されず、支払いが反故にされてしまった例もある。
サンラが、和解金の不払いを続発させるようになってからは、もはや手遅れの感もなくはない。しかし、繰り返すが「何もしなければ何も起こらない」。その上、投資家が泣き寝入りをすれば、如何わしい投資商売で贅沢三昧の暮らしをしてきた増田氏らの「逃げ得」を許すことになる。
今からでも、あきらめずに行動を起こすべきである。
闘う投資家は、当連絡会が支援します。
これからサンラ・ワールド社に返金を求めようとする方のために「通知書」の文例を掲示しておく。「通知書」を無視されたり、返金されなかった場合、次にとるべき手段は「訴訟」である。
通 知 書
通知人・●●●●は、貴社が募集、販売した「Arius3D,Inc.」(以下、Arius3D)と「サンラ・コーヒー組合」(以下、コーヒー組合)の証券を購入した者です。
本投資に至る経緯は、増田俊男氏の著書「これから株神話が始まる」(アスコム社刊)を購読したことに始まります。同書の巻末には、増田氏と貴社が発信する「時事直言」というファックス情報紙の無料購読申し込みの葉書があり、それを使って購読を申し込んだのです。
以来、「時事直言」とともに、貴社から頻繁に海外投資募集の勧誘広告と、増田氏の推薦の言葉などが送られてくるようになり、Arius3Dとコーヒー組合はそのなかに含まれていました。
大手の出版社から多数の著書を出されている増田氏が運営し、「優良な投資」などと推薦されているのなら安心だと信じて、貴社の勧誘する投資案件に申し込み、貴社からの指示に従って投資金を送金したのです。
その内訳は、以下のとおりです。
まず、Arius3Dの投資から列挙いたします。
㈰ 証券番号ARD―●●●●。平成●●年●●月●●日、通知人が代表取締役を務める「●●●●」(以下、●●●●社)の名義でArius3D転換社債●口分として、First Hawaiian Bankの「Asian Dream,Inc.」(以下、Asian Dream)名義の口座へ●万米ドルと手数料20米ドル(合計●●●●万●●●●円)を振込み。但し、この送金分は平成●●年●●月●●日に転換社債から優先株へ交換し、●●●●社から通知人に名義を書き換えています。
㈪ 証券番号ARD―●●●●。平成●●年●●月●●日、●口●万米ドルのワラント行使でしたが、コーヒー組合の配当分●●●●米ドルが充当され、差額の●万●●●●米ドルと手数料20米ドル(合計●●●万●●●●円)をFirst Hawaiian BankのAsian Dream名義の口座に振り込みました。
㈫ 証券番号ARD―●●●●。平成●●年●●月●●日、通知人が代表取締役を務める「●●●●」(以下、●●●●)で、●口●万米ドルのワラント行使を申し込み、コーヒー組合の配当分●●●●米ドルが充当された差額の●万●●●●米ドルと手数料20米ドル(合計●●●万●●●●円)をFirst Hawaiian BankのAsian Dream名義の口座に振り込みました。但し、この送金分は平成●●年●●月●●日に●●●●から通知人へ名義変更しました。
㈬ 証券番号ARD―●●●●。平成●●年●●月●●日、株式●口分の●万米ドルと手数料20米ドル(合計●●●万●●●●円)を、American Saving Bankの「Arius3D A」名義の口座に振り込みました。
㈭ 証券番号ARD―●●●●。平成●●年●●月●●日、転換社債●口分の●万●●●●米ドルと手数料20米ドル(合計●●●万●●●●円)を、Hawaii National BankのFrontier One.LLC名義の口座へ振り込みました。
次にコーヒー組合の投資を列挙します。
㈰ 証券番号SKC―●●●●。平成●●年●●月●●日、●口分の●万米ドルと手数料20米ドル(合計●●●万●●●●円)を、First Hawaiian BankのAsian Dream名義の口座へ振り込み。但し、平成●●年●●月●●日、貴社により●口●万米ドルの証書に交換されました。
㈪ 証券番号SKC―●●●●。平成●●年●●月●●日、First Hawaiian BankのAsian Dream名義の口座へ●口分●万米ドルと手数料20米ドル(合計●●●万●●●●円)を振り込みました。
㈫ 証券番号SKC―●●●●。平成●●年●●月●●日、American Saving BankのSunra Coffee,LLC名義の口座に、●口分の●万米ドルと手数料20米ドル(合計●●●万●●●●円)を振り込みました。
以上が、貴社から勧誘されて通知人が投資した一覧です。しかしながら、今年10月15日に「Arius3D,Inc.サービス代行センター」の発信人名で、貴社から「Arius3D,Inc.からのご報告」と題した文書が届き、その文書の2枚目に「CPC(REBECCA CAPITAL,Inc.)のネットでの情報検索方法」という説明があったため、その手順に従って同月18日、慣れないパソコンを操作してインターネット上で検索してみたところ、偶然「『増田俊男,サンラ・ワールド,SIC』投資被害対策室」というブログが画面にあらわれたのです。
このブログを読んで、通知人は自身が投資した案件を含め、貴社の募集する投資に違法性の疑いがあること。募集勧誘時に虚偽の説明を受けていたことを知りました。
そのため、不安になった通知人は、同月●●日に●●県消費生活センターへ相談に行ったのです。このとき相談員から、早急に弁護士か警察に相談するようにすすめられましたが、同月●●日より貴社の「サービスセンター」に、投資金の返還を求める趣旨の電話を何度もかけて交渉してまいりました。
しかし、Arius3D転換社債のほかは解約できない。そのArius3D転換社債でさえ、「売却願」という書面を提出して、返金されるまでの期間は無期限であると言われました。
とうてい承服しかねる一方的な条件を突きつけられたことに、強い不安と不満を感じました。
そして通知人は、消費生活センターなどでの相談から得られたアドバイスを総合すると、おおむね次のような結論に達しました。
法律によって規定された者以外が、不特定多数の者から出資金を受け入れたり、業として預かり金をしたりすることは、旧出資法によって禁じられていた。証券業者や証券仲介業の登録のない者が、多数の者を相手に有価証券の取得を勧誘、販売、仲介することは旧証券取引法に違反する。これには、外国に登記された法人の発行した有価証券も含まれる。申し込み時に、売却できないことを明示しないのは、説明義務違反といえる。
これらが、貴社と通知人との間の取引にも該当する疑いが強いとの結論に達しました。よって、違法性のある勧誘、売買は民法第90条に定めるところの公序良俗に反するので、契約自体が無効であることを、通知人は主張します。
消費生活センターから、弁護士や警察に相談するようにすすめられていますが、まずは本書面をもって、投資金の返還を貴社ならびに江尻眞理子氏、増田俊男氏に対して求める次第です。
その金額は、Arius3Dが●●●万●●●●円とコーヒー組合が●●●万●●●●円を合計した
金●●●●万●●●●円
上記金額を平成●●年●●月●●日までに、私の銀行口座に振り込む方法にて、お支払いください。
振込先
●●●●銀行 ●●支店 普通●●●●
口座名義 ●●●●(●●●●)
なお、期限内にお支払がない場合は法的措置をとらせていただきますことを予めご了承ください。
平成●●年●●月●●日
<通告人>
●●●●●●●●●●●●
●●●●
<被通告人>
東京都中央区日本橋人形町3丁目1番11号NNTビル6階
サンラ・ワールド株式会社
代表取締役 江尻眞理子殿
増田俊男 殿