2009年5月13日水曜日

実態があれば詐欺にならない ?

4月22日、サンラ・ワールド社法律顧問の佐藤博史弁護士は、10名以上の出資者の前で、このような発言をしました。
「実態がなければ詐欺だ。しかし、アリウス3Dは実在しているのだから詐欺ではない」

この理屈は、とてもヘンです。アリウス3Dへの上場前投資を名目にした出資金集めが詐欺にあたるかどうかは別として、未公開株詐欺はたいがい実在する未公開会社の株式が利用されてきました。その一般的な手口については、金融庁のサイトを参照してください。


未公開株購入の勧誘にご注意!〜一般投資家への注意喚起〜(金融庁)
http://www.fsa.go.jp/ordinary/mikoukai/index.html


金融庁が発してきた「注意喚起」で重要なポイントは、「発行会社自身が他の第三者と共謀して詐欺的な行為を行っている事例もあります」という部分でしょう。発行会社が、勧誘・販売業者と口裏を合わせている場合もあるのです。

発行会社に問い合わせても、その回答が事実であるとはかぎりませんから、未公開株取引きで以下のようなトラブルがあった場合は、公的機関に相談されたほうがよいでしょう。


●対象となる未公開株の発行会社の業績(年商や営業利益)を数百倍にも誇大に説明して勧誘する。
●実際には証券取引所の関係者ではない人物を、上場手続きの権限を有する担当者のごとく偽って発表していた。
●上場の準備を進めていたことを示す資料の開示を求めても、発行会社や勧誘会社が応じることができない。
●大きな市場での虚偽の上場予定を信じて未公開株(預り証)を買ったが、その後に発行会社が、当初の説明とは異なる小さな小さな市場で実際に上場の手続きをはじめた。
●すでに上場したと錯誤させる「説明会」や「祝賀会」を開き、実際は上場が未了のために市場取引きができない株式(預り証)を買わされた。
●勧誘・販売業者の弁護士が、「上場が完了し、市場取引きができる」と断言した期日から1年以上経つが、いまだに実現していない。
●発行会社や勧誘・販売業者が、「あなたは株主」になっているというが、渡されているのは勧誘・販売業者の関係会社が発行した「預り証」のみ。発行会社の株券を渡そうとしない。
●発行会社の「財務諸表」の開示を求めても、勧誘・販売業者とその弁護士が、「上場前は情報を開示できない」と言い張る。



警察総合相談電話番号 (警察庁)
http://www.npa.go.jp/safetylife/soudan/madoguchi.htm
弁護士会の連絡先一覧 (日本弁護士連合会)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/link/bar_association.html

全国の消費生活センター (国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html